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わかみず会

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開催回

第425回

開催日時

平成30年4月25日(水) 17時より

発表題目

無分別の哲学(3)

発表者

柳生 孝昭

発表資料

「無分別の哲学」(改訂第1版 2017.11.15)

発表内容

小生が仏教に関心を持ち始めたのは、
約40年前、1979年代後半のこと、契機は下記のようなものであった:

第1は仏教美術、中でも天平仏像の魅力。1980年の「東大寺展」は衝撃、
大きな驚きと深い感動を覚えた。

第2は大乗、特に「中論」の 空 = 縁起 の説の、D. Hilbert の
形式主義や構造主義文化人類学と相俟って、
物質世界の Data Modelling に於いて、実体・本質の固定観念を離脱し、
関係的接近法の確立に資する可能性の、強い示唆。
当時、「標準」とされていた CODASYL 型や関係 Model は、
多項関係の形式と意味を表現する機能を欠く、と見た。
因みに当時の考究は、(LMS と呼ぶ)CAD のための
Data Model に結実している。

第3に、仏教美術に限らず、あらゆる芸術作品 - 絵画、彫刻、音楽、
演劇、文学、他 - の与える感動の根底に、宗教性ないし精神性が
沈潜していると、思い知ったこと。1981年の法隆寺夏期大学に参加し、
堂宇や宝物も拝む毎日であったが、
或る日、一人の若者が中門に向かい、合掌するのを見た。
その真剣な眼差し、凛々しくも堂々とした立ち姿に、
鮮烈な印象を受けるのと同時に、学・美・信の間の深い内的関連が、
直観的に閃いた。

近時、関心は専ら、周知の通りの難解な仏典を、標準論理を含む
現代の我々の言葉に沿って理解することの可能性、に在る。
関連して、仏者・仏教学者と、某か他分野の専門家、
特に科学者との、仏教の教理や言葉を巡る対話を見聞きする度に、
各人の、専門用語・概念・知見を自然言語(日本語)で
正確・明晰に表す努力の不足と、逆に対手の話を納得の行くまで
理解するための、徹底的な追求の欠如を感じる。
様々の事情が有ろうが、相互理解を半端の儘に放置するのは、
知的怠慢・不誠実の誹りを免れまい。

本稿は、そもそも仏教、取り分け中観や公案禅に、
逆説・自己矛盾的表現が多く見られることと、
上の状況に鑑み、仏教言説の葛藤を解明し、明晰・合理的に
理解するための一助とすることを、目指す。
具体的には、葛藤の根源が妄分別、
即ち、捉われずに観るべき物事に、妄りな差別を立てる行いに
在るとの戒め、そこから多くの、様々な理法が導かれ、
説かれて来た事情を歴史的・論理的に考察し、更には原始仏教の
倫理的・実践的な戒めが、部派仏教から般若、中観、後期大乗を経て
概念化・言説化され、唯識、禅や浄土信仰に至る展開を通して、
理論的中枢を形成したことを、確認する。

実に「妄分別とその結果である謬見を捨てよ」とは、
実践・理論の双方に於いて、仏教の核心に位する大命題であった。
「無分別の哲学」と題する所以である。

開催場所
IVIS BLDG. 6F会議室  
会場アクセス
参加申込方法
事前予約制  
参加申込方法
今後の開催予定

第426回 平成30年5月09日(水) 手島 歩三

第427回 平成30年5月23日(水) 染谷 誠

開催回

第425回

開催日時

平成30年4月25日(水) 17時より

発表題目

無分別の哲学(3)

発表者

柳生 孝昭

発表資料

「無分別の哲学」(改訂第1版 2017.11.15)

発表内容

小生が仏教に関心を持ち始めたのは、約40年前、1979年代後半のこと、契機は下記のようなものであった:

第1は仏教美術、中でも天平仏像の魅力。1980年の「東大寺展」は衝撃、大きな驚きと深い感動を覚えた。

第2は大乗、特に「中論」の 空 = 縁起 の説の、D.Hilbertの形式主義や構造主義文化人類学と相俟って、物質世界の Data Modelling に於いて、実体・本質の固定観念を離脱し、関係的接近法の確立に資する可能性の、強い示唆。当時、「標準」とされていた CODASYL 型や関係 Model は、多項関係の形式と意味を表現する機能を欠く、と見た。因みに当時の考究は、(LMS と呼ぶ)CAD のためのData Model に結実している。

第3に、仏教美術に限らず、あらゆる芸術作品 - 絵画、彫刻、音楽、演劇、文学、他 - の与える感動の根底に、宗教性ないし精神性が沈潜していると、思い知ったこと。1981年の法隆寺夏期大学に参加し、堂宇や宝物も拝む毎日であったが、或る日、一人の若者が中門に向かい、合掌するのを見た。その真剣な眼差し、凛々しくも堂々とした立ち姿に、鮮烈な印象を受けるのと同時に、学・美・信の間の深い内的関連が、直観的に閃いた。

近時、関心は専ら、周知の通りの難解な仏典を、標準論理を含む現代の我々の言葉に沿って理解することの可能性、に在る。

関連して、仏者・仏教学者と、某か他分野の専門家、特に科学者との、仏教の教理や言葉を巡る対話を見聞きする度に、各人の、専門用語・概念・知見を自然言語(日本語)で正確・明晰に表す努力の不足と、逆に対手の話を納得の行くまで理解するための、徹底的な追求の欠如を感じる。様々の事情が有ろうが、相互理解を半端の儘に放置するのは、知的怠慢・不誠実の誹りを免れまい。

本稿は、そもそも仏教、取り分け中観や公案禅に、逆説・自己矛盾的表現が多く見られることと、上の状況に鑑み、仏教言説の葛藤を解明し、明晰・合理的に理解するための一助とすることを、目指す。具体的には、葛藤の根源が妄分別、即ち、捉われずに観るべき物事に、妄りな差別を立てる行いに在るとの戒め、そこから多くの、様々な理法が導かれ、説かれて来た事情を歴史的・論理的に考察し、更には原始仏教の倫理的・実践的な戒めが、部派仏教から般若、中観、後期大乗を経て概念化・言説化され、唯識、禅や浄土信仰に至る展開を通して、理論的中枢を形成したことを、確認する。

実に「妄分別とその結果である謬見を捨てよ」とは、実践・理論の双方に於いて、仏教の核心に位する大命題であった。「無分別の哲学」と題する所以である。

開催場所
IVIS BLDG. 6F会議室  
会場アクセス
参加申込方法
事前予約制  
参加申込方法
今後の開催予定

第426回 平成30年5月09日(水)
第427回 平成30年5月23日(水)

実施要項

世話役をアイヴィスが担当していますが、主宰者というような者はおりません。形式的な会員制度も無く、氏名・連絡先が登録されているのみです(情報は保護されています)。
 
◇ 例会は隔週水曜日、[報告]17:00 − 19:00、[討論]19:00 −19:30
◇ その後、近くの店で懇親会(約1時間半)を開くのが通例です。
◇ 休日に当たる場合は、翌週の水曜日に順延。
◇ 年末・年始と8月は休み、従って1月と9月の最初の日を決めれば、年間の予定が立ちます。